大阪万博はスイーツの宝庫 世界の甘い魅力を味わおう
現在開催中の大阪・関西万博では、各国の文化や技術に触れられるだけでなく、伝統的なスイーツを楽しめるのも大きな魅力のひとつです。各国パビリオンでは、それぞれの国ならではの本格スイーツが提供されており、まるで「世界のスイーツを巡る旅」をしているかのような体験ができます。今回はその中から、特に注目したいスイーツをご紹介します。
目次
オーストリア:王室由来の伝統スイーツに舌鼓
オーストリアパビリオンでは、代表的な伝統スイーツである「ザッハトルテ」や「カイザーシュマーレン」を味わうことができます。
ザッハトルテは、1832年にフランツ・ザッハーによって考案されたとされるチョコレートケーキです。チョコレートでコーティングされたスポンジケーキの中にはアプリコットジャムが挟まれており、甘くない生クリームが添えられるのが特徴です。ケーキのしっかりとした甘さに、この生クリームが絶妙なバランスをもたらします。
一方のカイザーシュマーレンは、オーストリア=ハンガリー帝国時代から親しまれてきたパンケーキ風のデザートです。細かくちぎられたふわふわの生地に粉糖がふりかけられ、クランベリーソースが添えられています。素朴ながらも奥深い味わいが楽しめる一品です。
「ザッハトルテ」
価格:1,400円(税込)
「カイザーシュマーレン」
価格:1,700円(税込)
ルクセンブルク:和素材を使った上質ケーキが週替わりで登場
ルクセンブルクパビリオンでは、本格的なケーキを楽しむことができます。面積こそ神奈川県ほどの小さな国ですが、フランス・ベルギー・ドイツに囲まれたその立地から、スイーツのクオリティは非常に高く、フランス菓子のような繊細な仕上がりが特徴です。
万博では、コンペティションで選ばれた6人のシェフによるケーキが入れ替えで登場します。いずれも日本の食材を取り入れており、取材時に登場していたのはPauline Michelin氏が考案した「すだち」を使ったケーキでした。すだちの香りと酸味が、ルクセンブルクの蜂蜜と組み合わさり、上品な甘さと爽やかな味わいが印象的です。その他にも抹茶や梨などを使ったケーキも登場するとのことです。
他にも、ルクセンブルクの国旗の色を表現したマカロンや国の形のクッキーなども登場。
「フュージョン ミエルとすだち – Voyage deルクセンブルクà OSAKA」
価格:1,200円
UAE:香ばしい粉スイーツと爽快ドリンクを体験
UAEパビリオンでは、日本ではなじみの薄い伝統スイーツ「バティータ」を体験できます。こちらは小麦をベースにした粉状のお菓子で、デーツ、カルダモン、サフランなどをブレンド。スプーンですくってそのままいただくスタイルです。香ばしさとやさしい甘さが広がり、日本の「きな粉」にも似た印象を受けました。現地では、お祝いの席で食べられることが多いそうです。
さらにもうひとつ注目したいのが、ガーフの葉とリンゴ・レモンなどを合わせた爽やかなドリンク。暑い時期にぴったりのすっきりとした後味で、体をクールダウンしてくれること間違いなしです。
「バティータ」
価格:1,100円(税込)
「ガーフの葉とりんごジュース」
価格:950円(税込)
イタリア:伝統のドルチェ「カンノーリ」と「パンナコッタ」を味わう
イタリア館のレストランでは、定番の「パンナコッタ」と、少し珍しい「カンノーリ」という2種類のイタリアンスイーツを楽しむことができます。
パンナコッタは、皆さんもご存知の通り、生クリームをベースにゼラチンで固めたプリンのようなデザート。なめらかで濃厚な味わいが魅力で、シンプルながら奥深いおいしさが感じられます。
一方、カンノーリはイタリア・シチリア地方発祥の伝統菓子で、まだ日本ではそれほど広く知られていないかもしれません。筒状に揚げた生地の中に、甘さ控えめでコクのあるリコッタチーズのクリームがたっぷりと詰められています。両端にはピスタチオとオレンジのトッピングが施されており、見た目にも華やかです。
ちなみに、シチリアは高品質なピスタチオの産地としても知られており、現地ではピスタチオクリーム入りのカンノーリが定番として親しまれています。
「パンナコッタ」
価格:1,090円
「カンノーリ」
価格:1,290円
北欧館:カルダモン香るスウェーデンの伝統菓子「セムラ」
北欧パビリオンでは、スウェーデンの伝統菓子「セムラ」が提供されています。カルダモンが練り込まれた素朴なパンに、たっぷりの生クリームとアーモンドペーストがサンドされたスイーツです。
イタリアの「マリトッツォ」に近い印象もありますが、パンの食感はややパサッとしています。日本ではなかなかお目にかかれないスイーツですので、この機会にぜひ味わってみてはいかがでしょうか。
「セムラ」
価格:1,450円(税込)
日本:懐かしさと革新が共存するプラントベーススイーツ
そして日本も忘れてはいけません。日本パビリオンや会場内の各所では、日本ならではの多彩なスイーツが楽しめますが、今回注目したいのは、プラントベース仕様の「ブラックモンブラン」と、米粉を使った「チュロス」です。
九州の定番アイス「ブラックモンブラン」が、プラントベースになって登場しました。中のアイス部分にはミルクを使用せず植物性素材で仕上げられており、チョコとクッキークランチでコーティングされています。(チョココーティング部分はプラントベースではありません。)食べた印象としては、通常版と遜色のないおいしさでした。
また、米粉を使ったチュロスは、万博のロゴを彷彿とさせるカラーとデザインが特徴的です。見た目もさることながら、最大の魅力はその「もちもち食感」。赤のストロベリーと、青のブルーシュガー、2種類が用意されています。
「ブラックモンブラン」
価格:310円(税込)
「ミャクミャクっぽい?チュロス」
価格:各1,400円(ストロベリー、ブルーシュガー)(税込)
世界の甘さを万博で体験
大阪万博は、各国の文化だけでなくスイーツという身近な切り口からも世界を体験できる絶好の場です。普段なかなか味わえない伝統菓子や最先端のスイーツに出会えるこのチャンスを、ぜひお見逃しなく。
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