甘党男子メンバー対談 Vol.1 神久保編集長×プリン王子 プリントーク
甘党男子の神久保編集長がプリンの専門家 プリン王子を迎えてのプリントーク。
2時間以上にも及んだ熱いプリントークを、ぎゅっとまとめてご紹介します!
(左 神久保編集長 / 右 プリン王子)
プリン王子おすすめプリン①
神久保(以下 神) 今日はおすすめのプリンを持ってきてくれたんだよね?
プリン王子(以下 王) そう、中目黒の「うれしいプリン屋さん マハカラ」のプリン。
神 2種類あるんだね。
王 そう、「プレーン」と「アップルカスタード」。「アップルカスタード」の方は期間限定。
(早速両方食べてみる)
神 美味しい。プレーンとアップルカスタードは、プリン自体もちょっと違うのかな?
アップルカスタードの方がちょっと滑らかだよね。
王 そうだね。マハカラさんのプリンは、滑らかと硬めのハーフっぽい感じ。滑らかだけどハリもある。とろっとろではないんだよね。
神 確かにハーフっぽい。舌に載せた時の多幸感がすごいね。
王 マハカラさんのプリンは毎日手作り。作り置きしないんです。兵庫県の「日本一こだわり卵」を使ってる。
お店は、こじんまりして待ちのプリン屋さんて感じなんだけど、元々プリン屋さんじゃなくて、イカ玉焼きと串カツのお店のデザートメニューが人気になってそれでお店になったっていう。
神 卵が良いのか〜。僕はプリンをそんなに極めてなかったから、改めてプリンって美味しいなって思った。元々滑らか系が好きだったんだけど、最近は硬いプリンの魅力もわかってきて、そしたら(今回のマハカラのプリンは)その間のが出てきたなっていう感じで楽しめました。
キャラメルが強くなくサラッとしてる感じが、またリピートしたいなっていう。プレーンより、アップルカスタードの方が気に入りました。スイーツとして食べるのはこっちかなって。シナモンの香りが、アップルパイっぽくてそれが良かった。
王 これは季節限定だから今のうちだね。店頭では大体常時4種類ぐらい売ってる感じだよ。
「プリン王子」名前の由来
神 話は変わるけど、今日は聞きたいことがあって。何で名前を「プリン王子」にしたの?
王 プリン王子にした理由は、インスタの仲間に色々相談して、キャッチーな名前にしたくて、最終的には「いいんじゃない?プリン王子で」っていうそんなポップな感じで決めたんだよね。そしたら意外とハマった。
神 元々本当にプリンは好きだったの?
王 プリンが好きだって気づいたの。元々好きな女の子がカフェが好きで、いいところ見せたいのでカフェを色々調べて勉強してたんだけど、行きだしたら気がついたらいつもカフェでプリンを頼んでるじゃんみたいな。プリンって卵、牛乳、砂糖、ていうシンプル素材でできてるんだけど、お店ごとに全然味が違う、面白くない?って思って。そこでプリン好きなんだって気づいた。女の子そっちのけでプリンにのめり込んじゃったっていう。
王 プリンに目覚めてからは、京都とか大阪に旅行行っても、観光じゃなくてプリンを食べるため、カフェに行くための旅行だから、観光地は行かないです。
神 わかるわ〜。でも一般的にはあまり理解されないんだよね。
神 プリンは材料が3つっていう、それで味が全然違うの?
王 そうなんだよー。僕、プリンを自分で作ったりもするんだけど、プリンって一番素材がシンプルなのに、すごく繊細で難しいお菓子。例えば夏と冬で外気の温度とか湿度が違うので、同じ時間で焼いて蒸らしてもそこで仕上がりに差が出る。かつ、家で作る時、一度にオーブンで何個焼くかの数でまた変わってくる。6個載せられるオーブンに、6個載せるとダメ(笑)。3個ぐらいで間隔空けてあげるとうまくできるんです。だからすごく難しい。あとは牛乳に生クリーム入れるとか、卵や砂糖の種類もいっぱいあるから結構無限な世界。
神 単純だからこそ奥が深いみたいな。
王 そうそう、掛け算がすごい。それがおもろいなーって。
神 今は硬めのクラシックプリンが流行ってるけど、ちょっと前はなめらかも人気だったし、どういうのがプリン王子の中でベストなプリンなの?
王 個人としてはやっぱり硬めプリンが好き。でも最近色々お取り寄せもするんだけど、お取り寄せって滑らかが多い。じゃあなんでカフェのプリンって硬いのが多いかっていうと、カフェはカップじゃなくて皿盛りで出てくる。皿に盛れるってことは結局形状が維持できる硬さを担保してないと立たないので、だから硬めなんだよね。かつクラシックな昭和のネオ喫茶とか純喫茶が流行ってて、昭和世代の人は懐かしく、平成世代の人にとっては逆に新しいから幅広い世代に支持されている感じ。それが、硬めプリンの人気に拍車をかけてると思うんだよね。
ちなみに最近は滑らかプリンも、ジュレと二層になったプリンとか新しいのも出てきて人気だよ。
神 プリンの知識は自分で調べたりするの?
王 プリンのルーツってなんなの?とか気になると色々調べてて。
ちなみにプリンのルーツは、イギリスの船の上で生まれて、船に乗ると1〜2ヶ月帰れない、食料がなくなるのでどうにかして食材を有効活用しなきゃいけない、というときに野菜のくずとかをカットして卵液に漬け込んで蒸してたのがスタートなんです。デザートという感じではなかった。
それがフランスに渡って、「クレムカラメル」というお菓子になったのが今のプリン。
あと、プリンアラモードは日本発祥で、横浜のホテルニューグランドで生まれたんだよ。
戦後に、駐在するアメリカ人の婦人に食べてもらうため、ホテルのシェフが婦人を喜ばせるために考えたのが、プリンにクリームやフルーツをあしらって作ったのがプリンアラモード。
人をハッピーにするために作られたデザートっていうのがいいですよね。
神 探究心すごいね。
王 わりとオタク気質があるので、色々知っておきたいみたいな感じで。
人形町に「日本最古のプリン」食べに行ったり。
日本最古のプリンのレシピなんですけど、成田山に封印されていたレシピが発見されて「西洋風茶碗蒸し菓子」っていうんですけど、それを人形町の「つくし」というお店の方が再現して作って、それが砂糖、卵、乳、ていう材料が書いてあって、それで作ったプリン。
砂糖たくさん使ってるから、当時からしたら相当高価な商品だったんじゃないかな。
プリン王子おすすめプリン②
神 他に何かおすすめのプリン無い?お取り寄せできるやつとかで。
王 鳥取砂丘にトットプリン(Totto PURIN)っていうお店があるんだけど、鳥取砂丘の砂を粉カラメルで表現してる「砂プリン」っていうのがおすすめ。
プリン自体、超滑らかで美味しいんだけど、粉カラメルを入れることによって、味の濃厚さがすごいのと、食感の変わり方もすごくてめちゃくちゃハマった。
神 へぇ〜、それ絶対今度お取り寄せしてみる!
僕のおすすめというか思い出のプリンは、6〜7年前にケンズカフェの氏家シェフが作ってくれたプリンが美味しかったんだよなー。
温かいプリン。昔、貸切パーティーで作ってくれたんだけどね。今はそれやってないから幻のプリン。
氏家シェフにレシピ教えてもらって、プリン王子に再現してもらいたいわ〜。
王 幻のプリン。食べてみたいなー。
プリン王子が思う美味しいプリンの定義
神 あと、もう1つ聞きたいんだけど、プリン王子が思う美味しいプリンの定義って何?
王 僕の中での「美味しいプリン」は、ハリと喉ごし。
神 喉ごし!?
喉ごしってあるの?
王 あるんだよ。とぅるんっていくやつが(笑)。
ハリがあって、喉の通りがめちゃくちゃ気持ちいい、みたいな。
滑り台みたいな流れ込む感じ。
神 味的な好みは?
王 カラメルはビターなのが好き。あと、甘さはなんの甘さかわからないのが好き。
例えば、砂糖ってわかっちゃうとそれがチープな甘さに感じてしまって。緩やかで品のある甘さが好き。例えば蜂蜜が入ってたりとか。きび糖とか、そういうのが美味しいって思います。
神 なるほどね〜。ためになる。
神 最近はコンビニとかでもたくさんの種類売ってるけど、それはどう思う?
王 コンビニとかスーパーで売ってるプリンは、実はプリンじゃないのも結構あるんですよ。
神 どういう事?
王 さっきも言ったように卵、砂糖、牛乳を使うのがプリンなんだけど、意外と卵を使ってないとか多い。
でも、プリンってもはや”概念”だと思ってて。卵も牛乳も使ってなくてもそれもプリン。
カロリー控えめの豆乳ベースのプリンとか、ビーガン向けとか卵アレルギーの人向けとか、アーモンドミルク使ってたりとか、いろいろな楽しみ方ができるプリンが増えてる。なので今後さらに違う形のプリンが出てくるかもしれません。
神 名言出たね「プリンは概念」
プリン王子
プリンジャーナリスト。
年間800食以上のプリンを食べるプリン研究家
普段は会社員として働きながら、カフェや市販のプリンを食べてまわるプリン研究家としてメディアにも掲載。カフェとのコラボメニューの開発など多岐にわたって活動中
神久保翔也
甘党男子二代目編集長。
スイーツコンシェルジュ。
スイーツを広めるべくスイーツの歌も歌っています。たい焼きが大好き。