お菓子けものみち

~第四回「コンビニのロールケーキ」


「覆面ライターT」と申します。
最近はコンビニスイーツのレベルの上がり方も著しく、本格的なスイーツをいつでも手軽に楽しめるようになっておりますが、やはり昨年からの「ロールケーキ」ブームがそのきっかけとなったのではないか、と思います。

現在、主要コンビニではどこでも「カットしたロールケーキ」を売っておりますが、今回は、それらの見た目、原材料、成分等についていろいろと比較してみたいと思います。

1.各チェーンのロールケーキを比べてみる

各チェーンのロールケーキについて、外観、原材料、成分を記載してみたいと思います。


1.ローソン

まずは現在の「コンビニロールケーキ」の元祖となったローソンのものから。

コンビニ名:ローソン
商品名:ウチカフェプレミアム:スプーンで食べるプレミアムロールケーキ

外観はこちら。
いわずと知れた、現在の「動物性クリームを使用したコンビニロールケーキ」の先駆け的な存在で、「2010年モンドセレクション」受賞しております。
「生地の、焼き色のついた側」が内側に向いておりますが、あるいは「ひび割れ」を恐れてのことなのでしょうか。
また、生地はやや気泡が大きめ、生地はかなり黄色味が強くなっています。

原材料は

クリーム、卵、糖類(砂糖、異性化液糖)、植物油脂、小麦粉、バター、マーガリン、脱脂粉乳、乳化剤、ソルビット、膨張剤、香料、pH調整剤、カロチノイド色素、(原材料の一部に大豆を含む)
となっており、「植物油脂」の使用量が、実は意外と多い(小麦粉より多い)ことがわかります。
バターとマーガリンを両方と使用しているのも、風味付けのためなのでしょうか。

カロリーおよび成分に関しては

熱量:227Kcal
たんぱく質:2.7g
脂質:18.5g
炭水化物:12.5g
ナトリウム:36mg
となっています。


2.スリーエフ

続いて紹介するのは「スリーエフ」のもの。
ローソンのロールケーキ発売後、比較的初期に発売されています。

コンビニ名:スリーエフ
商品名:オンブラージュ:クリームを嗜むプレミアムロール

外観はこちら。
生地の色に関しては、ローソンとほぼ一緒で、気泡も同程度。
比較的初期に発売されているだけあって、外観はローソンのものに非常によく似ています。
生地の内側、外側ともに「焼き色が無い」状態ですが、よく見ると内側に微妙に茶色い部分が残っており、「焼き色の部分を削いで、内側に巻き込んでいる」ことがわかります。

原材料は

卵、クリーム、乳等を主要原料とする食品、砂糖、小麦粉、乳化油脂、乳化剤、pH調整剤、酸化防止剤(V.C)、酒精、香料、増粘多糖類、メタリン酸Na、カロチン色素、(原材料の一部に大豆を含む)
となっており、先のローソンのものに比べ、卵の使用量が多くなっていること、また、砂糖の使用量が少ないのがわかります。

カロリーおよび成分に関しては

熱量:198Kcal
たんぱく質:2.7g
脂質:14.7g
炭水化物:13.7g
ナトリウム:44mg
となっており、ローソンのものに比べ、カロリーがやや低めとなっているようです。


3.NEWDAYS

3番目は「NEWDAYS」のもの。いわゆる駅ナカをメインに展開しているコンビニです。

コンビニ名:NEWDAYS
商品名:エキリッチ:絶品!プレミアムクリームロール

シリーズ名自体「エキリッチ」となっており、駅メインでの販売であることがわかります。
パッケージを裏返すとわかるのですが、実は先の「スリーエフ」と同じ会社が製造しています。
外観的には、そちらと調べやや生地が白く、表側に薄めの焼き色が付いているのがわかります。

スリーエフのものと同じ会社が製造している、ということで気になる原材料ですが、

クリーム(北海道クリーム94%使用)、卵、乳等を主要原料とする食品、砂糖、小麦粉、チーズ、乳化油脂、ショートニング、乳化剤、pH調整剤、酸化防止剤(V.C)、酒精、香料、増粘多糖類、カロチン色素、(原材料の一部に大豆を含む)
となっており、比較すると
「卵が少なめで、チーズが入っている」
のが特徴的ですね。実際、食べてみるとやや酸味を感じます。
まったく同一の原材料にするのではなく、チェーン店ごとに違いを設けているのが見て取れます。
逆に共通なところとしては、砂糖が少なめなところ、また、酒精(アルコール)が原材料として入っていることが挙げられます。

カロリーおよび成分に関しては

熱量:183Kcal
たんぱく質:2.0g
脂質:14.9g
炭水化物:10.2g
ナトリウム:35mg
となっており、脂質を除いて先のスリーエフより低めなのがわかります。


4.セブンイレブン

続いてはセブンイレブンのもの。
他のコンビニが「円形の生地にクリームをつめた」構造なのに対し、外見から若干異なっています。

コンビニ名:セブンイレブン
商品名:なないろカフェ:3つのヒミツ!極上ロール

見てのとおり、「のの字形」に生地が巻き込まれています。
また、パッケージ裏側には「3つの秘密」として
 ・スポンジとクリームの間に塗ったカスタードが隠し味!
 ・ミルク風味たっぷりの北海道産生クリーム使用!
 ・卵たっぷり配合したしっとりスポンジ!
と書かれており、カスタードを使用していることがわかります。

原材料は

卵、クリーム(乳製品等)、牛乳、グラニュー糖、小麦粉、乳等を主要原料とする食品、植物油脂、はちみつ、ソルビット、乳化材、グリシン、加工でん粉、酢酸Na、香料、増粘多糖類、(原材料の一部に大豆を含む)
となっており、糖分は砂糖ではなく、グラニュー糖とはちみつをベースにしていることがわかります。
生地自体の味わいから、おそらくははちみつは生地に使用されて入るのではないか、と思います。
また、見てのとおり「のの字」になっており、生地が多いこと、また、カスタードを使用していることより、卵、小麦粉の使用量が多く、牛乳も使用していることがわかります。

カロリーおよび成分に関しては、

熱量:253Kcal
たんぱく質:4.9g
脂質:16.8g
炭水化物:20.5g
ナトリウム:63mg
となっており、生地の多さから、炭水化物が非常に多くなっているのがわかります。


5.サークルKサンクス

5番目に紹介するのはサークルKサンクスのもの。
サークルKサンクスといえば「天使のクリーム」ですが、それを使用したロールケーキとなっています。

コンビニ名:サークルKサンクス
商品名:シェリエドルチェ:天使のクリーミーロール

今回紹介するものの中では、唯一価格が異なっています(他が150円に対し、これのみ140円)。
写真を見ていただけるとわかるのですが、生地とクリームの間に段差というか、溝があり、作り方として、「クリームを巻いてから切っている」のではなく、「生地を巻いてから中にクリームを流し込んで作っている」のがわかります。

原材料は

クリーム、乳等を主要原料とする食品、卵、砂糖、小麦粉、マーガリン、蜂蜜、植物油脂、粉乳、ソルビット、加工澱粉、乳化剤、増粘多糖類、リン酸塩(Na)、pH調整剤、着色料(カロチン)、香料、(原材料の一部にゼラチン、大豆を含む)
となっており、他のものに比べ、生地がやや薄めなせいか、クリームが動物性植物性問わず非常に多いのがわかります。
また、セブンイレブン同様に「蜂蜜」を使用していますが、こちらはそれほど蜂蜜の個性を強くは感じません。

カロリーおよび成分に関しては、

熱量:235Kcal
たんぱく質:2.5g
脂質:19.8g
炭水化物:12.5g
ナトリウム:16.9mg
となっており、ナトリウムの含有量が非常に低い(他のものに比べ半分以下)のが見て取れます。


6.ファミリーマート

最後に紹介するのはファミリーマートのものです。
以前はam/pmと別シリーズだったのですが、統合に伴いファミリーマートとなり、またオリジナルスイーツシリーズも「SWEETS+」に統一されているようですね。

コンビニ名:ファミリーマート
商品名:SWEETS+:ロールケーキ

サイズ、見た目とも、ローソンのものに非常に近く、かなり意識しているのがわかります。

原材料は

クリーム、鶏卵、砂糖、植物油脂、小麦粉、乳製品、食塩、乳エキス、トレハロース、乳化剤、膨張剤、ソルビット、香料、リン酸塩(Na)、pH調整剤、酸化防止剤(V.E)、ゲル化剤(増粘多糖類)、カゼインNa、カロチン色素、グリセリン、(原材料の一部に大豆を含む)
となっており、小麦粉まではローソンとまったく同一なのがわかります。
ただし、味わい的にはこちらのほうが植物性のクリームの味わいっぽく、よく言えば軽く、悪く言えば平板な感じとなっています。
使用順としてはローソンと一緒なのですが、結構味わいが違うのに驚かされます。

カロリーおよび成分としては

熱量:265Kcal
たんぱく質:4g
脂質:22g
炭水化物:16g
ナトリウム:42mg
となっており、カロリーが一番高いのがわかります。

2.まとめ

さて、これで一通り各チェーンのロールケーキの見た目、原材料、成分等を紹介したわけですが、最後に簡単なまとめを。

 


1.外観についてのまとめ

まずはわかりやすいところで、セブンイレブンのみ「のの字」になっており、それ以外はすべて、いわゆる堂島ロール形というか、円形の生地の中にクリームが入った形となっています。
特に初期、ローソンなどで「実は巻いてから切っているのではなく、生地を巻いてからその中にクリームを詰めている」との工程を聞いていたのですが、サークルKのものに関して、そういった構造なのがよくわかり、非常に興味深かったです。

また、意外と異なっているのが「向かって外側に焼き色がつくか、内側か」ということ。
内側についているのが、ローソン、サークルK、ファミリーマートの3社。
外側に向いているのがセブンイレブン、NEWDAYSの2社。
焼き色をそぎ落としているのがスリーエフ(ただし、つくりとしては内側に向いていると思います)。
外側に向けて製作すると、ひび割れしやすいこと、また、おそらくは生地とクリームのなじみ方が若干異なるのではないかと思いますので、それぞれのチェーンの考え方がうっすらと見えてくる気もします。


2.原材料についてのまとめ

いろいろと比較してみましたが、結構個性が見えてくるのが「原材料」。
味わいに関しても「チーズ(NEWDAYS)」「蜂蜜(セブンイレブン、サークルK)」など個性を出そうとしているのがわかりますし、そもそも動物性のクリーム自体を売りにする、ということもローソンからですから、やはりここに力を入れてくる、というのもよくわかります。

また、どのチェーンも「動物性の生クリーム」使用を大きく謳っており、事実「クリーム」が非常に多いのですが、植物性油脂もそれなりに使われていることが見て取れます。
やはり食感へのこだわりや、加工のしやすさなどの理由があるのでしょうか。


3.味わいについてのまとめ

やはり各チェーン、クリーム自体の味わいにこだわっているようで、かなりチェーンごとに異なるなあ、という印象でした。
特にローソンとファミリーマートに関しては、「上位の原材料が一緒」なのですが、味わいが結構違う(ローソンのほうが生クリームっぽさを強く感じ、逆にファミリーマートは軽い口当たり)のに驚かされました。

反面、生地自体にはそれほど大きなさは見えなかったのですが、セブンイレブンのみ、「のの字」で「蜂蜜の香りが強め」と、独自路線を貫くがゆえに、非常に特徴的なのがわかります。


4.最後に

今回一通り食べ比べるのは初めてで、「どこが違うんだろう?」と思いながら見ていたのですが、原材料、味わい、見た目ともに「一見同じ」なのに結構違うものだなあ、という印象でした。

また、たとえば
・ローソンは先駆けであり、「モンドセレクション」など高級感を打ち出している
・セブンイレブンは「3つの秘密」をパッケージに書いており、また「カスタードと合わせる」など他のチェーンと違う、独自性を重視している
・サークルKは「天使のクリーム」使用と、スイーツのシリーズとしての統一感を重視している
など、「同じものの横の比較」をしてみたことで、なんとなく今後を含めたチェーンごとの方針が見えてきたような気がします。

ただのロールケーキだと思っていましたが、結構奥深く楽しめますので、ぜひ皆さんも、いろいろと食べ比べてみてください。


●バックナンバー
第七回「甘納豆は日本橋にあり」
第六回「饅頭の成り立ちと、日本への伝播」
第五回「みつ豆とあんみつの元祖に迫る」
第四回「コンビニのロールケーキ」
第三回「あんぱん、ジャムパン、クリームパン」
第二回「梅花亭でどらやきの歴史に触れてみる」
第一回「3種のうさぎやについて語る」

プロフィール

覆面ライターT

いろいろあってプロフィールは秘密の某会社社員。
20ン年前に「女性にモテたかったので」お菓子をいろいろ食べ始めるが、
その目的は果たせず。
代わりになぜか餡子の美味しさに目覚めてしまい、そのままお菓子(食べるほう)の道を邁進中。
文章おちゃらけてますが、結構いろいろ食べていますので今後もお楽しみに
覆面ライターT


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