
第7回 アンジェリーナ
アンジェリーナは、パリに本店を置く老舗サロン・ド・テ(ティーサロン)。
モンブランを初めて出したお店として有名ですね。
アンジェリーナの歴史は古く、1870年にリゾート地として有名な南仏ニースにケーキ店としてオープンしたのが始まりです。店名のアンジェリーナは、創始者であるオーストリア人の菓子職人アントワーヌ・ランペルマイユの義理の娘の名前に由来します。このお店のケーキはニースを訪れるセレブの間で評判となり、1903年にはパリに進出、サロン・ド・テをオープンしました。パリでも作家のプルースト、デザイーナーのシャネルなど、社交界の人々に愛され世界的に有名なお店となりました。アンジェリーナが日本に進出したのは1984年。銀座プランタンにオープンしたのが始まりです。
さて、アンジェリーナの代名詞ともいえるモンブランは、メレンゲの土台の上にミルキーな生クリームをたっぷりと絞り、全体を濃厚な味わいのマロンペーストでおおった逸品。
永年人々に愛されてきましたが、この度、新しいモンブランが登場することになったので
そのご報告です!!




左が旧来のモンブラン、右が新生モンブランです。
どこが違うのか、おわかりになりますか?
実は、構造もルセットも同じ。変わったのはマロンペーストだけなのです。
新生モンブランのマロンペーストは、生栗本来の味わいや食感を生かしたもので、全体として軽やかな味わいに仕上がっていて、よりストレートに栗の味わいを楽しむことが出来ます。
すでにパリではこの新しいタイプのモンブランが販売されていますが、日本でもいよいよゴールデンウィークの始まりである4月29日(祝)から発売されます!
また、新生モンブランと同時に春の新作ケーキが3種発売されますのでその分析もしておきましょう。
1,サント・ノレ


サントノーレは、1840年頃考案されたいわれる伝統的なお菓子で、本来は丸いパイ生地の縁にミニシューを貼り付けて中央にクレームシブーストを絞ったものです。
アンジェリーナでは、これを現代風にアレンジし、カスタードクリームとフレッシュな生クリームを使って仕上げています。
2,アンデシ


こちらは、ショコラ生地の上にグリオットチェリーのコンポートを埋め込んだキルシュのムースをのせ、全体を焼き目をつけた口溶けのよいメレンゲでおおったプチガトー。
メレンゲの甘み、グリオットのほのかな酸味、ショコラ生地の苦味が口の中で三重奏をかなでます。名前の意味は「未確定」。試作段階の名称がそのまま正式名称になったとか。
(取り扱いは銀座本店のみ、5月末までの限定販売)
3,モン・フジ


モン・フジとは、言うまでもなく富士山という意味ですね。パティシエが富士山からインスピレーションを得て創作した一品。サクサクしたサブレ生地の上にオレンジのコンポートを埋め込んだ抹茶のムースを配し、全体をマロンペーストでおおっています。上にのっているメレンゲは富士山にかかる雲をあらわしているという。栗の茶色、抹茶の緑、コンポートのオレンジのコントラストが美しい断面を形成しています。
サロン・ド・テ アンジェリーナ プランタン銀座本店
<本館1F> ケーキショップ / Tel. 03-3564-4004
<本館2F> サロン・ド・テ / Tel. 03-3567-7871
営業時間
| 本館1Fケーキショップ | 11:00~20:30(火~土) |
| 11:00~19:30(日、月) | |
| 本館2Fサロン | 11:00~21:30 |
| ※ L.O.20:30 コースのオーダーは20:00まで |
プロフィール
猫井 登 (ねこい のぼる)1960年、京都生まれ。 早稲田大学法学部卒業後、大手銀行に勤務。 退職後、服部栄養専門学校調理科で学び、調理免許取得。 ル・コルドン・ブルー代官山校にて、菓子ディプロム取得。フランスエコール・リッツ・エスコフィエ等で製菓を学ぶ。著書に「お菓子の由来物語」(幻冬舎ルネッサンス刊)がある。 |
お菓子の由来物語お菓子に秘められた物語を明らかにした"由来事典"。 「ショートケーキ」や「チーズケーキ」などの定番商品から、「パリブレスト」「ババ」などの変り種まで、約140種を掲載。 |
バックナンバー
第10回「伊勢丹新宿店 サロン・デュ・ショコラ」
第9回「プランタン銀座」
第8回「アンティ・アンズ」
第7回「アンジェリーナ」
第6回「バレンタインデー」
第5回「クリスマス市」
第4回「ジャムの妖精」
第3回「モンブラン」
第2回「ドゥー パティスリーカフェ」
第1回「ロワゾー・ド・リヨン」

猫井 登 (ねこい のぼる)
お菓子の由来物語







