~第一回「3種のうさぎやについて語る」
4.どらやきの違いについて
さてお待ちかね。今回のメインイベントです。
「外観」と「味わい」、またその「材料」からそれぞれの違いを追って
みようかと思います。
4-1.外観の違い
3店のどら焼きを並べたところがこちら。

左から阿佐ヶ谷、上野、日本橋の順です。
各お店の外観写真として、「上下の貼りあわせの口部分」「上下をはがした中身」「餡子のアップ」を用意しましたので、
それぞれの特徴を比較しつつ見てみましょう。
①上野の外観



・口はしっかり閉じている。きっちりくっついているので、はがすのにやや難義する
・皮は片面焼き。したがって断面を見る限り、生地の空気は縦に入っている(断面の写真は後に記載)
・餡子は粒がそのまま残っている
②日本橋の外観



・口は開いている
・皮は両面焼き。両面ともしっかり焼いているので、生地の端部分が厚めでかつ
「端のはみ出した部分」が存在している
両面焼いているせいで、生地自体の空気の入り方は縦目ではない(断面写真は後に記載)
・餡子はややつぶし気味(ただし、粒の感じはそのまま残っている)
③阿佐ヶ谷の外観



・口は閉じている。ただし上野ほどしっかり閉じているわけではなく、簡単に開くことはできる
・皮は両面焼き。ただし、裏側は軽く炙った程度で、あまり焼き色は付いていない
なので「はみ出した部分」は存在しない
生地自体は、空気が縦に入っている(上野と日本橋の中間くらい。断面写真は後に記載)
また、この日たまたまかもしれないが、3店のうち一番色が薄い
・餡子は粒がそのまま残っている
まとめると、
・焼き方に関しては、
日本橋が両面しっかり焼き、上野が片面のみの焼き、阿佐ヶ谷はその中間
・焼き色に関しては
日本橋が一番濃く、上野、阿佐ヶ谷の順
・餡子に関しては
阿佐ヶ谷、上野が粒餡でそのまま粒が残っており、日本橋のみややつぶし気味
といった形であり、それらが微妙に後述の食感等にも影響を与えているような気がします。
4-2.味わいの違い
ベースの味付け等はごく近いと思いますし、簡単に形容すると「美味しいどらやき」に
なってしまいますので、それぞれを比較した形で紹介します。
こちらの写真は「食べたときの切り口、断面がわかるもの」を用意しています。
①上野の味わい

・後述の材料のせいか、はたまた片面焼きのせいか、皮と餡の一体感が強い
・やや粘りを感じる
・全体での甘みを一番強く感じる
②日本橋の味わい

・両面焼きのせいか、皮が一番ふっくらしている。皮の存在感が強い
・餡の水分は一番少ない
・比較的あっさり目の味わいである
③阿佐ヶ谷の味わい

・餡が一番瑞々しい
・皮の味わい、一体感については上野と日本橋の中間くらい
・皮はあっさり目、餡は甘み強めである
正直、どれも美味しく、味そのものは「好みの差」ということになってしまいますが、
・皮が一番ふっくらしているのは日本橋。次いで阿佐ヶ谷、上野の順
・餡は阿佐ヶ谷、上野、日本橋の順で水分が多め(べちゃべちゃ、という意味ではなく、瑞々しい、という意味)
といった傾向は感じ取れます。
4-3.材料の違い
上野、日本橋に関しては、外袋ないし箱に、
阿佐ヶ谷に関しては個包装の袋にそれぞれ記載されていますので、それらの違いを見てみましょう。
重量に関しては実測値です。
①上野の「どらやき」データ
原材料:砂糖 小豆 小麦粉 全卵 ハチミツ 水飴 膨張剤
重量:99g
②日本橋の「どらやき」データ
原材料:小豆 砂糖 小麦粉 卵 蜂蜜 重曹
重量:110g
③阿佐ヶ谷の「どらやき」データ
原材料:小麦粉 砂糖 蜂蜜 小豆 水飴 卵 塩 みりん 膨張剤
重量:114g
と面白い結果が。
皆さんご存知だとは思いますが、原材料名については「使用量の多い順」に記載することになっています。
ここから見て取れることは、
・上野、日本橋は「小豆と砂糖」が多いのに対し、阿佐ヶ谷は「小麦」が一番多い。皮部分が大きいか、または厚めであると考えられる。
また、主として皮部分に蜂蜜を使用するので、蜂蜜の順序からもそれが裏付けられる
・上野、阿佐ヶ谷に関しては水飴が原材料として記載されているが、日本橋は記載されていない。
上野、阿佐ヶ谷のほうが「餡が生地にくっついている感じ」が強く、それは両面焼きと片面焼きのせいかと考えていたのだが、材料の「水飴」の有無による部分もあるのかもしれない。
・重量に関しては、実測した限りでは阿佐ヶ谷が一番重く、ついで日本橋、上野の順。
皮の多い阿佐ヶ谷、小豆の一番多い日本橋、砂糖の一番多い上野の順になっており、
おそらくこれはお店ごとのコンセプトの違いを明確に表しているのではないか?
阿佐ヶ谷に関しては皮が多く、やや軽めなのでその分だけ重量がかさむ、皮をメインに味わうどらやき
日本橋に関しては上野に比べ、甘みを抑えており、十分な「甘み」満足感を得るためにやや全体量が多くなり
上野はもともと十分に甘いので、くどくなりすぎないために量を抑え気味になっているのではないか
と予想できる。
・日本橋のみ、膨張材の記載が具体的に「重曹」となっている。
両面焼きで生地をふっくら仕上げるために、必要な要素なのかもしれない。
(実際、皮部分が一番ふっくらしているのは日本橋のもの)
といったところでしょうか。
結構お店ごとに異なるのがわかります。










